
スクールで学んで6か月の女性受講生Aさんが、ある日こう言った。
「FXって、難しいのは技術面ではないんですね。自分との勝負なんですね。最近ようやくわかってきました」
とても印象に残っている言葉である。
Aさんは学習熱心であった。
テクニカルの知識を次々と吸収し、自信もつけていった。
デモトレードまでは順調。
毎月の数字も安定していた。
ところが、本講座でリアルマネーに移行した途端、変化が起きた。
エントリーボタンを押す指が、わずかに重くなる。
含み損の赤い数字が、やけに大きく見える。
そして――
・なぜか同じ場面でエントリーを急いでしまう
・なぜか良い相場で見送ってしまう
そのようなことが突然、多くなった。
ひと言でいえば、トレードにムラが出てきたのである。
あとから振り返れば分かる。
しかし、その瞬間になると止められない。
この感覚に覚えはないだろうか。
FXを本当に難しくさせるもの

Aさんの事例は、FXを本当に難しくしているものの正体を浮き彫りにしている。
デモでは調子が良い。
リアルになるとうまくできない。
相場環境はそれほど変わらない。
では、その違いを分けるものは何か。
答えは明確である。
お金だ。
お金がかかっているかどうかで、判断は揺らぐ。
FXを本当に難しくしているのは、実はお金をかけた状態で冷静さを保つことなのだ。
お金が絡むと、チャートを見る目は心理状態に大きく左右される。
たとえば、Aさんが2連敗していたとする。
すると、絶好の相場であっても、
「今回はやめておいたほうがいい理由」を無意識に探し始める。
逆に、2連勝していたとする。
今度はそれほど良くない相場でも、「エントリーできそうな理由」を無意識に探し始める。
同じチャートであっても、自分の状態によって景色はまったく変わるのである。
だからこそ、継続的に利益を出すために本当に必要なのは、
技術以上に
自分を知ること
なのである。
リベラルアーツとしてのFX

自分は、FXを単なる売買ツールとは考えていない。
相場は
「自分を映す鏡」
だ。
自分は何に反応しやすいのか。
どんなときに欲が出るのか。
どんなニュースに心が揺れるのか。
それに気づき始めると、トレードは安定していく。
相場で安定するとは、テクニックが増えること以上に、自分を理解し、自分を俯瞰できるようになることだ。
それは、自分の思考のクセを知り、強みと弱みを把握することでもある。
いわば、自己認識の力を持つということだ。
この力は、仕事でも人間関係でも必ず役に立つ。
ここに、リベラルアーツとしての意味がある。
リベラルアーツとは本来、「自由に生きるための学び」である。
相場を通して自己認識を深め、その力を人生全体に活かす。
それが、リベラルアーツとしてのFXである。
そして、AIというツール

今はそこにAIというツールが加わった。
AIは答えをくれる存在ではない。
しかし、自分のトレードの傾向を整理し、思考の偏りを言語化し、「自分を客観視する材料」を与えてくれる。
言い換えれば、自己認識の力を引き上げてくれる存在である。
相場を通して自分を知り、AIでそれを整理し、人生に活かす。
それが、スクールが目指している「リベラルアーツとしてのFX」の姿だ。
もし今、同じミスを繰り返している感覚があるなら、それは能力の問題ではないかもしれない。
まだ、自分を深く知らないだけという可能性もある。
このテーマについては、セミナーでより具体的な方法論として体系的に話している。
関心があれば、セミナーページを覗いてほしい。
