
SNSで見かけるFXトレーダーたちの言葉に、次のようなものがある。
「昨日、ドル円で負けたから今日は上がる気がしない」
「日銀の為替介入は152円を超えたら必ずあるはずだ」
「このチャートの形なら、明日ドル円は絶対に上がると思う」
これらの言葉に共通するのは、「思い込み」や「憶測」に基づいた判断であるという点である。
たとえば、昨日のトレードの失敗という“自分の経験”を基に相場を語ったり、「必ず」といった強い断定で未来を予測したりする。
このような姿勢では、どれほど分析スキルを学んでも、肝心の“判断の軸”がズレたままとなり、的確な判断にはつながらないだろう。
EDGEでは、こうした傾向を「事実認識力の不足」と捉えている。
「自分の解釈」で答えてしまう大人たち

「事実を、事実として正しく認識する力」
これは、FXの技術や手法を学ぶ以前に、最も大切にすべき学びの土台である。
しかしながら、この“当たり前”の力が、40代以上の私たちにとって、実は意外と身についていないことがある。
たとえば、職場の会議で「話がかみ合わない」と感じたことはないだろうか。
「このプロジェクト、全然うまくいってないよね」と発言する上司がいるとする。
それに対してあなたが「でも、今月の進捗は予定通りですよ」と返しても、話がかみ合わない。
よく見ると、上司は“うまくいっていない”という感覚を“事実”として語っているが、実際のデータや進行状況とはズレがある。
このように、「感情」や「不安」が“事実”のように扱われると、対話はすれ違ってしまう。
その背景には、「事実」と「意見」が混同されたまま語られているということがある。
事実(データや出来事)
意見・主張(感情や価値判断)
この2つを切り分けて考える力は、思いのほか希少である。だからこそ、EDGEのEラーニングは、「事実を読む力」から出発する。
EDGEでは、ここからがFX学習のスタート

EDGEのEラーニングは、第2回で「ダウ理論」に関する問題が出題される。
E-ラーニングは講義内容を“自分の頭”で整理し直すためのトレーニングでもある。
出題例を挙げよう。
【問題】 ダウ理論
下記のドル円日足チャート(2018年5月―12月)には、3つのオレンジの〇印がある。
ダウ理論の観点から、上昇トレンドが「終了した」と言えるのは、どの〇印か?
一番左の〇
真ん中の〇
一番右の〇

この問いに対する正解は「一番左の〇」である。
なぜなら、ダウ理論においては「高値が切り上がらなくなれば、上昇トレンドは終了したと判断する」ためである。


しかし、実際には多くの受講生が、「移動平均線が3本とも下向きだから」といった理由で、誤った回答を選んでしまう。
ここで重要なのは、「間違えたこと」自体ではない。
問題は、「ダウ理論に関する問い」であるにもかかわらず、無関係な情報(移動平均線)を根拠にしてしまうという点である。
つまり、多くの人が「問いの本質を読み取らず」、自分の知識や思い込みに基づいて答えてしまっているのだ。
受講生は、「移動平均線で日足のトレンドを考える」は、体験セミナーでまず最初に覚える。
一方で、初回の講義後の段階では、まだ、学んだ内容:ダウ理論の理解があいまいである。
だからこそ、多くの受講生は「利用しやすい(理解しやすい)知識:移動平均線」で答えてしまうというわけだ。
この「利用しやすい(理解しやすい)知識」で判断してしまうことは、「行動経済学」では「利用可能性ヒューリステック」とよばれている。
チャートも人生も、“憶測抜き”で見る力が大事

このようなEラーニングの問題の後には、オンラインでの対面勉強会が行われる。
そこでは、次のようなメッセージが繰り返し語られる。
・「問題文を正しく読むことは、チャートを正しく読む訓練につながる」
・「感情や思い込み」を一度脇に置き、「事実と向き合う力」を養うことが大切である。
この練習を重ねることで、次第に「事実ベース」で物事を見る力が育ってくる。
この力は、FXの世界だけでなく、人生のあらゆる局面で支えとなる本質的な力である。
EDGEでは、こうした「感情と事実を切り離して見る力」を俯瞰力として重視している。
俯瞰力とは、自分自身の思い込みや反応を一歩引いて見つめ、目の前の事実を冷静に捉え直す力である。
それは、チャートだけでなく、自分の感情や状況に対しても有効に働く「心の見取り図」を描く力とも言える。
FXトレードで学んだ俯瞰力を身につけて、仕事にも好循環が生まれた

ある受講生Sさんは、EDGEでFXを学びながら「俯瞰力」を身につけたことで、自身の心の余裕や仕事の在り方に変化が起きたと語る。
以前は、目の前のことに精いっぱいで、イライラしがちだった。
だが、学びの中で「一歩引いて自分を見つめる視点」を得たことで、日常や仕事において冷静に対処できるようになった。
特に印象的なのは、この話だ。
Sさんは、無理なスケジュール依頼に対して、以前は不安や焦りで対応していた。
だが、今では「どれくらい時間がかかるか?」「いつまでに?」「どの程度の質で?」と冷静に状況を分析し、余裕ある対応ができるようになったこと。
この変化は、単なる精神論ではない。
FXトレードの学びを通して、自分の状態や感情を客観的に把握する習慣が身についた結果である。
さらに、これまで苦手意識を持っていた経済分野にも興味が湧いた。
仕事で携わる政治翻訳の中でも世界の動きや経済のつながりを立体的に捉えられるようになった。
それにより、将来への漠然とした不安も少しずつ消えていったという。
「自分と周囲の状況がわからないから不安になる。
でも、俯瞰して見る力があれば、不安に飲み込まれず、冷静に“今できること”を選べるようになる」
Sさんの言葉は、EDGEが大切にする「FXを通じて、自分を整える学び」に他ならない。
トレードスキルだけでなく、“自分を知る力”を育てることで、人生全体に波及する変化が起こり得るのである。
なぜこのプロセスが、40代以上の大人に必要なのか?

年齢を重ねるほど、私たちは「経験」というフィルターを通して物事を見るようになる。
それは決して悪いことではない。むしろ、大人としての強みでもある。
しかし、その経験がときに“誤った判断”の原因になることもある。
だからこそ、EDGEのFX教育は、「学び直し=受け取り方の再構築」と捉えている。
たとえば、こんな経験はないだろうか。
「夫の言葉を自分なりに解釈してしまい、すれ違いが生まれた」
「上司のひと言に感情が先に立ち、冷静に受け取れなかった」
これらも、実はFXと同じ構造を持っている。
事実と感情を分けて見ること。
憶測で判断しないこと。
こうした姿勢を、チャートの読み方を通して習慣化していくのが、EDGEの学びの本質である。
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「大人のためのFX教育論」