
政治が為替に影響することを、普段どれくらい意識しているだろうか。
多くのトレーダーは、チャートやテクニカル分析には目を向ける。
しかし、世界で起きている政治的な出来事が、為替市場に大きな影響を与えることも少なくない。
そして今、まさにその典型的な状況が起きている。
それが中東情勢だ。
最近のニュースでは、ある場所の名前が頻繁に出てくる。
ホルムズ海峡だ。
では、ここで一つ考えてみてほしい。
もしホルムズ海峡が封鎖されたら、為替市場では何が起きるだろうか。
実は、この問いを考えることが、
「今トレードを様子見したほうがいい決定的な理由」
を理解するヒントになる。
ホルムズ海峡封鎖で何が起きる?世界経済と原油供給への影響

まず最初に起きるのは、原油価格の上昇だ。
ホルムズ海峡は、ペルシャ湾から世界へ原油を輸送する重要な海上ルート。
世界の原油輸送の大きな割合が、この海峡を通過している。
もしこのルートが封鎖されたり、航行が制限される可能性が高まればどうなるか。
市場ではすぐに、
「原油が不足するかもしれない」
という不安が生まれる。

世界での生産量の比率の高い、中東諸国からの原油輸出が止まれば、世界的な供給不足になる。
よって、原油価格は上昇する。
原油価格とドルの関係|エネルギー価格が為替相場を動かす理由

ここで、もう一つ問いを考えてみたい。
原油価格が上がると、なぜドルが買われるのだろうか。
なぜユーロではなく、日本円ではないのか?
その理由は、原油は基本的にドルで取引されているからだ。
つまり、原油を買うには必然的に、米ドルが必要になるのだ。
原油需要が増える
↓
ドルが必要になる
↓
ドル需要が増える
この結果、為替市場では
ドルが買われる
↓
ドル高
が起きやすくなる。

赤枠は2月末~3月中旬。ホルムズ海峡封鎖によるWTIの需要とドル需要の高まりを示す。
中東情勢などの政治リスクがFX相場を動かす仕組み
では、この状況を受けて為替市場は今後、どのような方向に向かうと考えればよいのか?
例えば、ドル円。
まずは、ここ1ヵ月の動きを振り返ってみよう。

米国・イランの攻撃開始の2月末から今に至るまで、ドル円日足チャートは「乱高下」している。
なぜ、このような「乱高下」の状況になっているのか?
それが、まさに今の中東情勢が関係している。
つまり、こういうことだ。
① ドル円日足チャート:大陽線
もし戦争が長引く報道が出れば、
原油供給への不安が続く
↓
原油価格は上昇
↓
ドル需要は増える
↓
ドルが買われる
↓
ドル円上昇
① ドル円日足チャート:大陰線
一方で、戦争が終結の方向に向かう報道が出れば。
原油供給の不安が消える
↓
原油価格は下落
↓
ドル需要は減る
↓
ドルは売られる
↓
ドル円下落
この構図は「わかりやすさ」を強調するために、あえて他の要因(日米の金融政策など)は無視している。
だが、今は、
「中東情勢」の報道が、為替市場を動かす「最大の要因」
であることははっきりしている。
つまり、現状は
政治(中東情勢)が、為替相場を動かしている。
そして「中東情勢」の状況は、刻一刻と変化する。
よって、相場は「乱高下」しがちになる。
不確実な相場でトレーダーが考えるべきこと

であれば、このような状況でトレーダーはどう考えるべきだろうか。
それは、
今は無理にトレードしないほうが得策
ということになる。
理由は、今 相場は
「中東情勢」の報道に敏感になり、乱高下しがちだから、だ。
戦争が長引く報道がでれば、原油供給の不安が出て、原油価格が上昇し、ドルが買われる。
一方、
戦争が終結する報道がでれば、原油供給の不安が薄まり、原油価格が下落し、ドルが売られる。
「チャートパターンが効きにくい」状況であることは明らかだろう。
よって、無理に狙わず、今は「様子見」をする。
相場には
・攻めるべき時期
・待つべき時期
がある。
政治的な不確実性が高い局面では、相場は方向感を失いやすい。
こういうときは、「どう勝つか」を考えるよりも、
「今はトレードすべき相場なのか」
という問いを持つことの方がはるかに重要だ。
FXで勝ち続けるために必要な「相場を広く見る視点」

多くのトレーダーは、チャートの中だけで相場を見ている。
しかし為替市場は、
政治
エネルギー
経済
金融政策
といった、さまざまな要因の影響を受けて動いている。
つまり、チャートの外側にある世界を少し見るだけで、相場の理解は一段深くなる。
そして時には、
「今は様子を見るべき相場だ」
という判断も生まれる。
それもまた、トレードにおいて重要な意思決定の一つなのだ。
相場は、チャートだけで動いているわけではない。
世界の政治や経済、そして人間の心理が重なり合って動いている。
だからこそ、相場を見る視点を少し広く持つこと。
それが、トレーダーにとって大切な姿勢だと思う。
もしあなたが、
「チャートだけではなく経済・政治・人間心理を含めて相場を理解したい」
そう感じているなら、スクールのFXセミナーも参考になるかもしれない。
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・チャート分析の考え方
・世界情勢が為替に与える影響
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