
この記事は、FXスクールの現場で、実際に受講生と向き合う中で見えてきた「学びの設計」について書いたものだ。
スクールの応用編コース(アドバンスコース)には、決まった「テキスト」がない。
なぜなら、授業のテーマや内容を決めるとき、まず「受講生の課題」から考えているからだ。
したがって、毎回のテキストはすべて異なる。
「いま、受講生は、何に迷っているのか」
この問いから始まり、これまで多様なテキストを作ってきた。
手法、トレンドの考え方、資金管理、ファンダメンタル、通貨強弱、トレンドができる仕組み、投資マネーの行動原則、欲求分析、クリティカルシンキング、フラクタル理論、自己認識、俯瞰力など。
*2019年から続けており、作成したテキストは84本に及ぶ。
一見すると遠回りに見える内容である。
しかし、この姿勢こそが、毎年年利30%以上の受講生を多数輩出してきた理由である。
そして、この「一見遠回りに見える姿勢」は、FXトレードの学び方そのものとも、深くつながっている。
「同じ手法」でも、つまずく場所は人によってまったく異なる。

仕事の合間にスマホでチャートを確認している人もいれば、夜にようやくパソコンを開いて、「今日は結局、何がダメだったのだろう」と画面を見つめている人もいる。
にもかかわらず、
「この手法が正解だ」
「この形で入れば勝てる」
という“完成形”だけを提示しても、学びは定着しない。
ここで重要なのは、「やり方」ではなく、「問いの立て方」である。
「どのタイミングでエントリーするか」
「次のローソク足がどうなったら入るか」
その前に、
「自分はいま、何に困っているのか」
と自分に問い直せているかどうかが、すべてを分ける。
FXの課題は人によって違う。
Aさんは、実は「仕事が忙しく、チャートチェックが習慣化できていない」のかもしれない。
であれば、解決策は手法ではなく、「生活リズム」や「見る時間帯の設計」である。
一方、
Bさんは、過去の負けトレードの記憶が引っかかり、同じ形が出ても、どうしてもエントリーをためらってしまうのかもしれない。
であれば、必要なのは新しい手法ではなく、「振り返り」や「思考の整理」である。
要するに、AさんもBさんも、課題は「手法」ではないということだ。
この考え方は、私がスクールで提唱している、「21世紀のAIトレーダー」という概念とも直結している。
21世紀のAIトレーダーとは、AIを使って“当てにいく人”のことではない。

✔ 判断の前に、まず自分の予測を考える
✔ すぐに結論を出さず、自分の迷いを扱う
✔ AIを“正解マシン”ではなく、“思考の相棒”として使う
そのために必要なのは、答えを探す力ではなく、
すなわち、
「自分はいま、何に引っかかっているのか」
「なぜ、いつもこの場面で迷うのか」
こうした問いを、自分に向けて立てられるかどうかが、本質である。
FXトレードで迷っている人には、次のような視点が役に立つはずだ。
「自分はまだ足りない」と考える前に、まず、『自分はいま、何に困っているのか』を明確にする。
たとえば、エントリーを見送ったあとに価格が伸びて、「また逃した」と感じたとき。
その瞬間に、「もっと良い手法が必要だ」と考えるのではなく、
「なぜ、あの場面で自分は迷ったのか」
「根拠が足りなかったのか、過去の失敗がよぎったのか」
と、自分に問いを向けてみる。
そして、その問いをそのままAIに投げてみる。
AIを“答えをくれる存在”ではなく、思考を整理する相棒として使う。
その小さな習慣が、学び方も、AIの使い方も、そして判断の重さも、確実に変えていく。
トレードは、単なる売買ではない。
思考を養い、判断を育てるための実践の場である。
もし、こうした「問いの立て方」や、AIを使った思考整理の具体例に興味があれば、「21世紀のAIトレーダー」メルマガで、日々のトレードや講義の中での気づきを継続的に共有している。
「当て方」ではなく、「考え方」を育てたい人にとって、きっとヒントになるはずだ。
迷いながらでも、考え続けるトレーダーでありたい方には、役にたつと思う。

