さて、「FXと外貨預金の違い②
~レバレッジとは?」です。
前回の記事は以下からご確認
ください。
↓
https://officelevert.jp/?p=1316
まずは、前回のおさらいから。
前回のまとめは以下です。
①外貨預金:ドル円レート¥112.00
で10万ドルのドル預金
をもつために、
必要な資金は¥11,200,000
②FX :ドル円レート¥112.00
で10万ドルでドル円の
ロングポジションをもつ
ために、
「最低限」必要な資金は¥448,000
「レバレッジ」というシステムにより本来、
外貨取引で必要とされる「¥11,200,000」
ではなく(この例の場合)、
FXでは「¥448,000」で取引ができる。
これがFXのすごいところです。
で、ここ、さらっと読み流すには、あまりに
重要な事実です。
というのは、外為法の改正よりFXが
市場に急速に拡大した1998年以前には、
私たちは、ドル円¥112で10万ドルの
取引をするには、
「¥11,200,000」が本当に必要とされた
から、です。
外貨取引だけに1千万超の資金をつぎ込める
人ってなかなかいないですよね?
でも、今はFXを使えば、最低限「¥448,000」
あれば10万ドルの取引ができるわけです。
1998年を境にして、ほんと「資産運用の
自由度」は一気に広がったわけですね。
で、このように少額の元手(¥448000)
でも大きな取引(10万ドル)ができると
いう点が、FXのすごいところですが、
次の疑問は、この場合、本当に
「¥448,000」を入金するだけで
よいかどうか? という話です。
結論からいうと、NGです。
その理由をこれから説明します。
前回、ドル円¥112で10万ドル
のロングをもちたい時に、
FX会社に入金すべき金額は、
以下の計算式で求めました。
FX会社に入金すべき金額:
¥11,200,000 ÷ 25(レバレッジ
25)=¥448,000
で、この¥448,000はFX会社に差し出す
「担保」であり、
FX会社は、この「担保=証拠金」を元に
¥11,200,000を貸してくれる、ということ
を書きました。
ここで、「¥448000を入金するだけで
本当によいか?」を理解するために
実際の取引をイメージしてみましょう。
例えば、僕がドル円¥112.00で10万ドルの
ロングポジションをもち、
不幸なことに、
ドル円が上昇せずに¥111.80まで
20PIPS下落したとします。
当然、損失ですよね。
どのくらいの損かというと、以下の
計算式でわかります。
¥111.80X10万ドル=¥11,180,000 -
¥112.00 X10万ドル=¥11,200,000
=△¥20,000
で、この場合、FX会社に差し出している
証拠金(担保)は¥448,000なので
この¥20,000という損失は、当然
¥448,000から差し引かれます。
なので、¥448,000という証拠金は、
「実質的」には¥428,000になるという
ことです。
とすると、FX会社としては何らかの
措置をとる必要があるわけですね。
なぜかというと「担保割れ」が起きて
いるからです。
よって、FX会社は「僕がそれ以上の
損失をするのを防ぐために」取引を
「強制停止」します。
具体的には、
ドル円112.00、10万ドル、ロングの
ポジションは「自動的」に決済
され(=売り)、
証拠金の残りのお金=¥428,000
は僕に戻ってきます。
これが、FX会社でいうところの
「強制ロスカット」というやつです。
で、上記については、話をわかりやすく
するために、△20PIPS下落した
場合の例を書きましたが、
実際は、
¥112.00から数PIPS下落したとしても、
すぐに「強制ロスカット」されます。
なぜかというと、FXでは「スプレッド」
とう、買値と売値の間の「差=FX会社の
利益」が存在するからです。
*参考 「外為どっとこむ」のドル円
スプレッドは、0.3PIPS
買いレート:¥112.000
売りレート:¥119.997
ここまでの話をまとめます。
FXでポジションをもつのに必要な「証拠金
ぴったりの入金」では、
数PIPS、ポジションと逆の方向に動いた
だけて強制ロスカットされる。
FXでポジションをもった場合、逆の方向に
数PIPSも動かずに「100%のタイミング」で
トレードする、なんてできるわけない
ですよね。
なので、昨日の記事の最後で書いた
「証拠金ぴったりの入金」では、
トレードはできても儲からないってこういう
意味です。
で、話をさらに進めると、
証拠金ぴったりの入金でトレードする人って
あまりいないと思います。
ただ、ぴったりではなくても「証拠金
ぎりぎり」でトレードする人って、
世の中にはけっこう多いのかもしれません。
で、そういう人は、残念ながらレバレッジの
意味を取り違えています。
というのは、「元手がすくなくできる」と
いうことを「元手が少なくてよい」と間違って
解釈しているから。
皆さん方は、この記事を読んで、
FXの取引の「損益」を決めるのは証拠金ではなく
「取引量=ロット」だということがおわかりに
なったと思います。
¥112で10万ドルの買いポジションをもつのに
証拠金が¥448,000であっても、
損益を決めるのは、あくまで「取引量(この場合
だと10万ドル)」です。
詰まるところ、レバレッジというのは、「資本の
効率化」の手段でしかありません。
レバレッジにより元手がすくなくできても、
損益を決めるのは、レバレッジにより
「大きくなった、取引量」です。
よって、
損失することが前提となっているFX取引
では、
証拠金〈 入金
の関係に「ある程度の余裕」を
もたせる必要があるということですね。
では、次は、
実際「いくら口座に入金すればよいか
?」ということにつき書きます!
ではまた明日!